パデルを始めたばかりの人が、来週のコートで一歩前進できる話題を毎週お届けします。今週のテーマは「後ろの壁」です。9月28日にはアジア大会のパデル競技も開幕します。壁を使ったラリーはパデル観戦の大きな見どころなので、自分で打つときにも、試合を見るときにも役立つ内容にしました。
今週の上達ヒント:後ろの壁は「待てば味方」
テニス経験者がパデルで最初に戸惑うのが、後ろのガラス壁です。テニスなら、深いボールが来たらベースラインの後ろへ下がって打てばいい。ところがパデルでは、下がった先にすぐガラスがあります。慌ててボールを追いかけ、壁との間に挟まれて窮屈なスイングになる。これが典型的な失敗パターンです。
発想を逆にしましょう。バウンドしたボールは、後ろの壁に当ててから打っていいのがパデルのルールです。英国のパデル統括団体LTA Padelも、壁に当ててから打つことで「ショットに時間の余裕が生まれる」と解説しています。追いかける必要はなく、壁が返してくれるのを待てばいいのです。
パデルのコーチング機関「The Padel School」は、動きを次の2ステップで説明しています。
- ボールと一緒に、小さく一歩下がる:ボールがガラスへ向かっていくのに合わせて下がります。下がらずにいると、ボールを体の後ろで打つか、すくい上げるしかなくなるのが初心者の典型的なミスだそうです
- ボールが自分を通り過ぎたら、一歩前へ:跳ね返ってきたボールに向かって踏み込みます。前に出ないと、手首だけで返す窮屈なショットになってしまいます
打つタイミングは、壁から跳ね返って、ボールが再び落ち始めたところが理想とされています。心の中で「バウンド、壁、打つ」と数えながら待つと、焦って先に手を出すのを防ぎやすくなります。
いきなり壁から直接打つのが難しければ、最初は壁に当たったあと、もう一度地面でバウンドさせてから打つ練習から始めるのがおすすめです(LTA Padelが紹介している段階的な練習方法です)。慣れてきたら、2回目のバウンドを待たずに壁から出てきたボールを打つ形に移ります。
次回コートに立ったら、深いボールが来たときに10球だけ、追わずに待つことを意識してみてください。壁の跳ね返りで体が固まってしまう悩みは、初心者が最初につまずく7つのポイントでも1番目に挙げた「あるある」です。多くの人が通る道なので、焦らなくて大丈夫です。
今週の注目ギア:アシックス GEL-DEDICATE 9 PADEL
壁を待つプレーでは、跳ね返りに合わせて一歩踏み出し、打ったらまた戻る動きが増えます。このとき足元が滑ると、せっかく待ったボールに間に合いません。
シューズ・ウェアの選び方では、最初の一足として「オムニ・クレーコート用のテニスシューズ」で代用する方法を紹介しました。通う回数が増えてきたら、次の一足はパデル専用シューズが候補になります。

「アシックス GEL-DEDICATE 9 PADEL」は、アシックスのパデル専用シューズの中では手に取りやすい価格帯のモデルです(楽天市場では上位モデルが2万〜4万円台)。海外のパデル専門店では「始めたばかり、または上達途中のプレーヤー向け」と紹介されています。
- 特徴:パデル専用パターンの耐摩耗ラバーソール、GELクッション、横の動きを支えるTRUSSTIC(トラスティック)
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価格:17,700円(楽天市場、2026年9月26日時点)
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本場パデルのひとコマ:プロは後ろの壁を「反撃の起点」にする
「待つ」と聞くと守りの技術に思えますが、世界のトップ選手はこの先に進んでいます。それがバハーダ(bajada)です。後ろのガラスに当たって跳ね返ったボールを、落ちてくるところで叩き、守りの場面を一気に反撃に変えるショットです。
面白いのは、このプロの大技の土台が、今週の上達ヒントとまったく同じだという点です。海外のパデル解説サイトは、バハーダの習得順序として「後ろに下がる」「ボールがガラスから出てくるまで待つ」を最初に挙げています。そして最初のよくある失敗として、ラケットを振る速さばかり考えてボールに向かって走ってしまうことを挙げています。
つまり、「追わずに待つ」は初心者のための妥協ではありません。トップ選手の攻撃も、同じ「待つ」から始まっているのです。狙う場所も、ラインぎりぎりではなく、相手の足元・体・2人の間が有効とされています。力任せに打たない。ここも初心者のうちから真似できる考え方です。
パデルコーチのDani Hoyo氏が、自身のYouTubeチャンネルでバハーダを解説している動画を貼っておきます(英語)。今すぐ打てなくても、「壁から出てきたボールを待つ姿勢」だけでも見ておくと、次のコートでのイメージが変わるはずです。
【国内】アジア大会のパデル、9/28に開幕
アジア競技大会のパデル競技が、9月28日(月)に名古屋市東スポーツセンターで開幕します。決勝は10月3日(土)、観戦は無料・先着順です。テレビ中継は確認できていないため、結果の追い方はこちらの記事にまとめました。日程・会場は観戦ガイド、日本代表の顔ぶれは注目選手ガイドをご覧ください。
まとめ
今週は、後ろの壁を「待てば味方」にする考え方を取り上げました。ボールと一緒に一歩下がり、通り過ぎたら一歩前へ。この小さな一歩が、プロのバハーダにもつながる土台です。アジア大会の結果やハイライトを見るときも、壁際で選手が「待っている」瞬間に注目してみてください。来週もこの枠で、パデルを一歩前進させるヒントをお届けします。
出典:How to play off the back glass in padel(LTA Padel)、The Back Glass in Padel #1(The Padel School)、Mastering the walls in padel(Padel39)、Bajada in padel: definition, use and mistakes to avoid(actu-padel)、How to hit a padel bajada: timing, targets and mistakes(actu-padel)、Asics Gel Dedicate 9 Padel(Total Padel)、パデル|第20回アジア競技大会公式


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