アジア競技大会2026 パデル注目選手ガイド|日本代表8名とライバル国の顔ぶれ

パデルコートでダブルスをプレーする女性たち 大会・ニュース

🥇 大会は10月3日に終了しました:女子の徳本佳恵・塚本早紀組が金メダルを獲得しています。日本代表8名の全試合の結果はアジア大会パデル 結果まとめにまとめています。

9月28日、名古屋でパデルのアジア大会が始まりました。 史上初の正式競技採用で、日本代表は男女それぞれ2ペアずつの8名です。誰が何を懸けて戦っているのかを知っておくと、結果を追うのが数倍おもしろくなります。

⚠️ 訂正(2026年9月29日):この記事では当初「日本代表は男女1ペアずつの4名」と書いていましたが、誤りでした。5月の選考大会で選ばれたのは男女1ペアずつでしたが、実際の日本代表は各種目2ペア・計8名です。お詫びして訂正し、もう1組ずつの代表を追記しました。

📌 日程・会場・観戦方法はアジア競技大会2026 パデル観戦ガイドにまとめています。この記事はその「選手編」です。

3行でわかる、今大会の構図

日本の立ち位置 女子は2025年アジア選手権の優勝国=ディフェンディングチャンピオン。金メダル候補
最大のライバル カタール。同大会で銀メダル、中東の王者。男子は特に強力
🌏 その他の国 イラン(女子準優勝)・UAE(男子決勝進出)・オーストラリアも上位経験あり

女子|徳本佳恵・塚本早紀組:アジア女王としての出場

徳本佳恵・塚本早紀組は、2025年10月にカタール・ドーハで行われた史上初のアジア大陸選手権「FIP Asia Padel Cup」で日本を優勝に導いたメンバーです。リーグ戦3戦全勝、準決勝でオーストラリアに2-1、決勝でイランに2-0。アジア王者として迎える初のアジア大会になります。

徳本佳恵(とくもと かえ) 塚本早紀(つかもと さき)
生年月日 1991年4月20日(35歳) 1991年6月4日(35歳)
出身 東京都 東京都
所属 Tactical(スポンサー:祥平館エイジア) 東京ガス/Tactical
FIP世界ランキング 143位(自己ベスト132位) 191位(自己ベスト160位)
主な戦績 第7回・第9回全日本選手権優勝、日本ランキング1位 徳本とレギュラーペアを結成

徳本選手がパデルを始めたのは2018年。競技歴8年でアジアの頂点に立った計算になります。2021年から5年連続で代表に選ばれている、日本女子パデルの第一人者です。

男子|富田一輝・畠山成冴組:海外組と転向組のコンビ

男子は富田一輝・畠山成冴組。海外でプロとして戦ってきた選手と、テニスから転向して一気に頂点まで駆け上がった選手の組み合わせです。

富田一輝(とみた かずき) 畠山成冴(はたけやま なさ)
生年月日 1996年2月(30歳) 1997年1月18日(29歳)
出身 ー 北海道札幌市
学歴・所属 東京国際大学卒/祥平館エイジア 慶應義塾大学環境情報学部卒/西牧アンドカンパニー
FIP世界ランキング 327位(自己ベスト317位) 自己ベスト287位
主な戦績 2019年 日本ランキング1位 全日本選手権2度優勝、無敗シーズン達成
キャリアの特徴 日本1位獲得後にスペインへ渡りプロ活動 テニスでインターハイ準優勝→パデル転向1年で代表入り

富田一輝選手はスペインでの武者修行組。本人がインタビューで語っているのは「スペインで一番学んだのはスピード」という点です。パデルは緩急の駆け引きが勝負を分ける競技で、どれだけ速く打てるかが問われる——という感覚を、現地で体に叩き込んできました。現在はクウェート代表選手とペアを組んで国際大会を転戦しています。プレー動画はInstagram(@padel_tomikazu、フォロワー約1.2万人)とYouTube「Tomikazu Channel」で見られます。

畠山成冴選手は左利きのオールラウンダー。ネットプレーと、パデル特有のウォールプレー(ガラス壁で跳ね返ったボールの処理)に強みを持つタイプです。テニスの名門校出身で、大学卒業後にパデルへ転向してわずか1年で代表入り。さらに2024年秋からはピックルボールにも本格参戦し、2026年にはマレーシアの国際大会で日本勢史上初の準優勝を飾るという、異色の「二刀流」でもあります。

もう1組ずつの日本代表|安藤・中村組と佐藤・小澤組

日本は男女とも、もう1ペアずつ出場しています。

  • 男子:安藤輝明(Nexus)・中村進之介(CHIGASAKI PADEL CLUB)組。大会初日の9月28日、1回戦でレバノンのペアに2-1(7-6, 2-6, 6-4)で競り勝ち、日本勢の初白星を挙げました。試合の詳細は結果速報にまとめています
  • 女子:佐藤千文・小澤琴巳組。小澤選手は静岡県浜松市出身の28歳で、大会前には地元の浜松市長を訪ね、金メダルへの意気込みを語っています

📣 日本代表チームの動向は公式X@padel_japanteamで発信されています。

ガラス壁に囲まれた屋内のパデルコート

最大のライバル、カタール代表

中東・湾岸諸国はパデルへの投資を積極化させている地域で、カタールはその筆頭です。2025年のアジア選手権では銀メダル、2022年には第1回湾岸パデルチャレンジカップ優勝、2026年のドーハ湾岸大会でもサウジアラビア・バーレーンを撃破しています。

種目 選手
男子 Rashid Nawaf Nayef/Mishari Nawaf Nayef/Hassan Adel Wali/Mohammed Saadoun Al-Kuwari
女子 Alya Murad/Maha Faramarzi(ペア)、Dana Al-Mudahka/Hanan Al-Abdulrahman(ペア)

このうち経歴が確認できた2名が要注目です。

Rashed Nawaf Mohammed Saadon Al-Kuwari
生年月日 2005年6月1日(21歳) 1983年7月21日(43歳)
FIP世界ランキング 414位(自己ベスト328位) 自己ベスト132位
特徴 テニス出身。ジュニア時代にアジア14歳以下選手権優勝、ジュニアオレンジボウル準優勝 身長182cm・左利き。スペイン人選手と組みPremier Padelツアーに参戦
注目ポイント 実弟Mishari Nawafとの兄弟ペア。2026年湾岸大会でサウジ組を6-0・6-1で撃破 カタール代表の中核。自己ベスト132位は日本の徳本選手(143位)を上回る水準

男子のWaly・Al-Kuwari組は、大会初日の1回戦でカザフスタンのペアに1-2で敗れました(詳しくは結果速報)。カタール女子の顔ぶれは、大会前の報道と実際のエントリーで一部入れ替わっていたため、大会公式のエントリーに合わせて更新しました(2026年9月29日)。そのほかの国の組み合わせは、大会公式の結果ページで確認できます。

世界ランキングの「物差し」を知っておく

ここまで出てきた数字を並べると、この大会のレベル感がつかめます。

選手 国 FIP世界ランキング(自己ベスト)
Mohammed Saadon Al-Kuwari カタール 132位
徳本佳恵 日本 132位(現在143位)
塚本早紀 日本 160位(現在191位)
畠山成冴 日本 287位
富田一輝 日本 317位(現在327位)
Rashed Nawaf カタール 328位(現在414位)

世界ランキングの上位はスペイン・アルゼンチン勢がほぼ独占しており、130位台という数字は「アジアではトップクラス、世界的にはこれから」という位置づけです。世界1位クラスの選手のイメージが湧かない方は、週刊パデルダイジェストで紹介したアグスティン・タピア選手(アルゼンチン)のプレーを見比べてみてください。アジア大会は、世界の頂点とは別軸の「アジア域内の頂点」を懸けた戦いです。

実は、世界30位の「アジア代表」がいる

ここまでの130位台という数字が「アジアの実力の天井」かというと、実はそうとも言い切れません。UAE代表のIñigo Jofre選手は、世界ランキング30位(2026年9月21日時点、FIP公式)。日本の徳本選手やカタールのAl-Kuwari選手を大きく上回る数字です。

ただし、単純に「UAEがアジア最強」とは言えない事情があります。Jofre選手はスペイン・サンタンデール生まれ・テネリフェ育ちの生粋のスペイン人選手です。UAEは2024年、Jofre選手を含むスペイン人選手4名を帰化させ、代表資格を与えました。この編成は他国から「スポーツマンシップに反する」との批判も出た、パデル界では物議を醸した動きです。

なお、大会公式のエントリーでは、UAE男子はALJANAHI Fares/ALABDULLA Abdulla組の1ペアのみで、Jofre選手は今大会には出場していません。それでも、「アジア」の実力を数字だけで一枚岩に語れないという事実は、知っておいて損はありません。生え抜きの選手で見れば、日本・カタールが実質的なトップ層と言えそうです。

予習:日本女子が優勝した、2025年アジア選手権の決勝映像

国際パデル連盟(FIP)の公式チャンネルが、日本女子が優勝した決勝と、カタール男子が進出した決勝をフル公開しています。名古屋で見られるレベルの試合が、そのまま映っています。

女子決勝:日本 vs イラン(日本が2-0で勝利、アジア女王に)

男子決勝:UAE vs カタール

観に行く前にもう一度:日程・会場・入場方法

パデル競技は9月28日(月)〜10月3日(土)、名古屋市東スポーツセンター。観戦は無料ですが、981席のみで当日先着順です。詳しい入場方法・注意点はアジア競技大会2026 パデル観戦ガイドをご覧ください。

「見ていたら自分でもやりたくなった」という方は、パデルのルール解説と初心者向けラケットの選び方が入口になります。


出典:JPA公式「Road to Nagoya」代表選考発表、「2026年度 パデル日本代表候補選手」メンバー発表(日本パデル協会)、祥平館エイジア PR TIMES、徳本佳恵選手紹介(Dunlop Padel Navi)、【アジアNo.1快挙!】日本代表女子チーム優勝(JPA公式)、富田一輝選手インタビュー(note)、畠山成冴選手プロフィール(PJFピックルボール日本連盟)、畠山成冴選手・Sansanスポンサー契約(Sansan株式会社)、選手プロフィール・世界ランキング(Padel FIP公式)、Qatar’s squash and padel teams set for Aichi-Nagoya challenge(The Peninsula Qatar)、Dominant Qatar reach Asia Padel Cup final(The Peninsula Qatar)、FIP Asia Padel Cup 2025 公式イベントページ(映像掲載元)、Iñigo Jofre選手プロフィール・世界ランキング(Padel FIP公式)、UAEによるスペイン人選手4名の帰化・代表編成について(padelalto.com)、Arnau Ayats and Iñigo Jofre in the United Arab Emirates selection(Padel Magazine)、165 Athletes to Represent UAE at Aichi–Nagoya 2026 Asian Games(UAE国家オリンピック委員会)

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